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ソラリスの時間

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私の好きな70年代のNHK少年ドラマシリーズ(2)「七瀬ふたたび」

現在のブログを始める前、旧ブログをやっていた2007年頃にハマって見直していた1970年代の「NHK少年ドラマシリーズ」。
前回は「なぞの転校生」について、旧ブログで書いていた記事を大幅に修正・リライトしてUPしましたが、今回は「七瀬ふたたび」について取り上げたいと思います。

↓前回も述べましたが、ここでも念のためにもう一度。

『NHK少年ドラマシリーズ』とは・・
1972〜1983年にNHK総合テレビで放送された、主に小中学生向けのテレビドラマシリーズ。
夕方18時頃から2、30分間の枠で放送され(何週かに渡って放送される連続ドラマ形式の作品が大半)、原作小説をドラマ化したものが多かった。SFものを中心に、コメディ、中には海外作品などもありました。




987-59少年ドラマシリーズ七瀬ふたたび1

「七瀬ふたたび」 1979(昭和54)年 8/6〜8/18放送(全13回)

人の心を読むことができる超能力者・七瀬。しかし、七瀬に心を読まれたことを知ると、人々は七瀬を恐れ、迫害するのだった。一人あてのない旅に出た七瀬は偶然乗った列車の中で、予知能力を持つ恒夫、同じテレパスの能力を持つ少年・ノリオと出会う。
筒井康隆の原作をもとに超能力者の孤独と悲哀を描いたSF作品。(DVDの説明書きより引用)



「七瀬ふたたび」は、「なぞの転校生」と同じく70年代に少年ドラマシリーズの中でドラマ化された作品ですが、主人公の年齢などの違いからか、「なぞの転校生」に比べて全般にかなり大人っぽい仕上がりになっています。
以下よりもう少し詳しく↓↓↓



● ハイティーンの視聴者もターゲット?!「なぞの転校生」に比べ大人っぽく、スケールの大きな作りに

「なぞの転校生」の主人公は中学生でしたが、本作の主人公・火田七瀬の年齢は20代初め。大人です。
そういうこともあってか、小中学生向けの少年ドラマシリーズの中にあって、このドラマはそれよりももう少し上の高校生ぐらいまでも視聴者として想定していたと思われます。筒井康隆さんの原作小説自体が、当時の高校生〜ヤングアダルトの年齢層に読まれていたでしょうし。

「なぞの転校生」は学校と団地という限られた生活圏内のみが舞台で、収録もNHKのスタジオ内で完結していたのに対し、本作はロケが非常に多く、北海道ロケも敢行されています。物語の舞台、主人公らの移動範囲が北海道、東京、関西、マカオ・・・と広範囲に渡るところにも、子供向けらしからぬスケールの大きさがあります。


987-59少年ドラマシリーズ七瀬ふたたび2


● テーマは「少数者(マイノリティー)の孤独と悲哀」=全体主義への批判

設定のみならず、当然、内包されたテーマとその描き方も少年ドラマシリーズのSF作品の中では大人びたものだったと思います。
「なぞの転校生」のみならず、「未来からの挑戦」「その町を消せ」など少年ドラマシリーズのSF作品は、戦争や全体主義、行き過ぎた管理社会への批判がテーマとなっているものが目立つのですが、「七瀬ふたたび」は社会への恐怖と批判が他の作品に比べ、少年目線で見るとやや婉曲に、逆に言うと練られた形で表現されている気がします。

「七瀬ふたたび」では少数者(マイノリティー)の孤独と悲劇を描くことで、全体主義が暗に批判されているわけですが、一般的にマイノリティーと言うと、有色人種、女性、障害者等々、社会的に不利で劣った立場や状況に置かれざるを得なくなっている人のことを指すことが多いですよね。
でも、本作で迫害されていく少数者というのは、人並み外れた特殊能力を持つ人間で、まさにその「人並みを外れている」というところが問題になる。人より並外れて優れているがゆえに、逆に追い詰められてしまう。

自分とは異質な人間の存在を認めず排除する、そのことがどれだけ恐ろしいことであるかということに全く気づいていない大多数の「普通の」人々の恐ろしさこそが物語の肝なのですが、表立っての社会的弱者ではなく、自分たちより優れた能力を持つ相手であるがゆえの容赦のなさが、またなんと恐ろしいことか・・。完全に魔女狩りの世界です。


私は放送当時はこのドラマを殆ど見ていなかったのですが、もしも小学生の頃にハマって見ていたとしたらどんな感想を抱いたのだろうと思います。
間違いなく迫害される主人公・七瀬たちに肩入れして観ただろうけど、どこまでこのテーマを理解できたかな。
とはいえ、子供にとっては、難しい理屈抜きで「七瀬たちが可哀想」「ひどい・・」と感じるその素直な感情が一番大事とは思います。



987-59少年ドラマシリーズ七瀬ふたたび3


● 衝撃と悲劇のラストシーンに、70年代の感性とエッセンスが凝縮されている

「七瀬ふたたび」はこれ以降も何度かドラマ化・映画化されていて、私が少年ドラマシリーズの見直しをしていた時期も、リメイクドラマが近々できると話題になっていた覚えがあります。
それが、「NHKドラマ8」枠で2008年に放送された蓮佛美沙子さん主演の「七瀬ふたたび」でしたが、私は結局このドラマを観ることはありませんでした。

観ていないため、70年代の「七瀬」との比較はできないのですが、この時ネット上に寄せられた悲劇的な結末に対するポジティブとは言えないドラマの感想それ自体に、私は少しがっかりしました。
感想を寄せた方は、七瀬らが自分たちを追い詰める敵に最終的に勝利する結末を期待しておられたようなのですが、それは違うだろうと。

バッドエンドだからこそ、普通に生きたいけど生きられない七瀬ら特殊な人間たちの孤独と哀しみが見る人に伝わり、七瀬らを追い詰めた人間や社会に対する疑問が深まるのであって、単純なハッピーエンドでは少なくとも「SF」の名作にはなり得なかったでしょう。


それと共に、この終わり方は原作も含めて実に70年代らしい終わり方とも言えます。
「なぞの転校生」のところでも少し書きましたが、70年代はアメリカンニューシネマの代表作とも言える「イージー・ライダー」や「明日に向かって撃て!」(両方とも1969年にアメリカで公開された映画ですが、日本での公開は翌70年)が日本でも話題となり、お尋ね者、アウトサイダーたちの衝撃的かつ悲劇的な結末が鮮烈な印象に残る作品でした。

ショーケン、水谷豊さん出演の1974〜75(昭和49〜50)年のドラマ「傷だらけの天使」の、アウトサイダーな若者2人の絶望的な結末もその流れにあると言えます。

60年代末の世界的な学生運動などのムーブメントの挫折とそれによる虚無感がこのような風潮を生んだと言われていますが、そういった70年代前半のムードが「七瀬ふたたび」の結末にも投影されている気がします。
最終話の「森を走る」という、究極にシンプルながら切迫感と恐怖感が表れたタイトルもとても好きです。



● クールな作品と意外に好相性!若かりし頃の多岐川裕美さんの美しさ!




「七瀬ふたたび」と言えば、この「風信子(ヒヤシンス)どこへ」というエンディング主題歌が記憶に残っているという方が非常に多いようです。
私がもし当時ある程度ハマって見ていたら、この曲をこんなに覚えていないはずがないので、やっぱり殆ど見ていなかったんだと確信に至りました


それにしてもDVDを観た時も思ったのですが、主人公・七瀬役を演じたこの時の多岐川裕美さん、とにかくお綺麗です!!.゚+.(・∀・)゚+. この頃は20代後半のご年齢だったようですが。

筒井先生は、2010年に映画化された時のヒロイン、故・芦名星さんが最も原作のクールビューティーな七瀬のイメージに近いと評しておられたようですが、

「ヒロイン・火田七瀬を演じた多岐川裕美は、お嬢さん風の雰囲気に、時どきクールな憂いと妖艶さがあり、稀代の当たり役となった。多岐川はSFとの相性の良さを買われて1980年、小松左京原作による角川映画のSF大作『復活の日#映画』のヒロインに起用された。」(Wikipedeiaより引用)

とあるように、私も非常に七瀬の役が合っているように思いました。


多岐川さんというと、それまで私自身は昭和の頃から大河など時代劇によく出られていた(特に印象深いのは「鬼平犯科帳」の鬼平の妻・久栄役)ことと、あとは多岐川さんが主題歌「濡れてさよなら」を歌っていた「微笑天使」(ドラマの内容はよく覚えてないのですがこの歌はなぜか記憶に)、バブルの頃に「クイズひらめきパスワード」に出演されていた、といったイメージだったのですが、七瀬を観たことである意味、イメージが塗り替えられました。

デビュー作「聖獣学園」には過激なヌードシーンがあったりと思った以上にコアな役を演じておられたこともあったようなのですが(デビュー作に関してはある方のブログを読んで最近になって知りました(@@))、七瀬もそうですが実はこういう無頼なテイストこそが多岐川さんの本来の魅力と確信している次第です。
そう言えば、ほんわかとしたホームドラマのイメージは昔からあまりないんですよね。





今回も、前回の「なぞの転校生」に引き続き、70年代のNHK少年ドラマシリーズ「七瀬ふたたび」を、昔旧ブログで書いた記事をリライトしながら振り返ってみました。
少年ドラマシリーズは「七瀬ふたたび」が放送された79年には既に全盛期を過ぎており、以前は毎日夕方から放送されていたものが、この七瀬が放送された時はこの一作のみが8月の一時期に放送されただけでした。
しかし、シリーズ中では屈指の名作と評価の高い作品です。

70年代の匂いを存分に味わいたければ「なぞの転校生」、今見ても大人が見ても楽しめるという点では「七瀬ふたたび」かな。
ご興味がありましたら、ぜひどこかでご覧になってみてください♪

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Re: 七瀬ふたたび
けきすけさん、少年ドラマシリーズ、ご覧になっていたんですね😁
私は小説の方を全く読んでいなくて、続編の「エディプスの恋人」 で七瀬が登場していることを知り、七瀬は死んでなかったのか‼と、ホッとしました。家族八景もエディプスも、七瀬ふたたびとはまた少し違った雰囲気のようで興味あります。

「その町を消せ」、一部がNHKのアーカイブスに残ってましたよ、多分。また是非ご覧になってみてください♪

[ 2021/02/27 12:31 ] [ 編集 ]
七瀬ふたたび
少年ドラマシリーズは見ていたはずなのですが、七瀬ふたたびはなぜか見ていませんでした。不思議です。
後になって小説の「家族八景」、「七瀬ふたたび」、最終話の「エディプスの恋人」を読んでドラマ化されていたのを知りました。
多岐川裕美さんの七瀬をリアルタイムで見たかった!

少年ドラマシリーズだと「その町を消せ!」という作品が記憶にあります。
[ 2021/02/25 02:54 ] [ 編集 ]
Re: こんばんは
空中アトリエさん、そうなんですよね。七瀬は少年ドラマシリーズの他の作品よりも確実に視聴者の想定年齢が高いドラマだと思います。
あのラストは想像の余地を残してますよね。それまでに仲間が次々に死んでいくのが怖くてひたすら悲しかったです・・。

「赤い月」には、「なぞの転校生」に出られていた高野浩之さんも出演されているんですよね^^
ティーン向けの清張作品というのもなかなか珍しいのでは?興味があります。
また色々教えてください!
[ 2021/02/18 23:55 ] [ 編集 ]
こんばんは
放送当時、小学六年生でしたが今、改めて観直すと確かに視聴対象年齢が高く設定されていますね。
大人が主人公の数少ない少年ドラマシリーズ作品ですね。
七瀬は生死不明で続編が放送されるのでは?と期待していましたが・・・
多岐川さんが演じたもうひとつの七瀬・東芝日曜劇場「芝生は緑」を観たいなと探しています。こちらはコメディーらしいのですが・・・
あと、タイムトラベラーの漁藤子役の村地さんが透明感のある神秘的な女性ですね。
七瀬の二年前の少年ドラマシリーズ「赤い月」に出演されています。松本清張先生原作の高校生向けの推理小説です。
[ 2021/02/16 20:23 ] [ 編集 ]
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プロフィール

マナサビイ

Author:マナサビイ
昭和40年代生まれ。大阪在住。
前身のブログを始めた2007年より一貫して昭和のカルチャーやプロダクト、個人的な想い出などのテーマで書き続けています。
ブログの内容からか男性と間違われる事が多々ありますが、女性です。
小々石 曲允子の名で、昭和文化愛好家、神秘の杜ナビゲーターとして取材執筆も行っています。

旅先でのフィルム写真の撮影、神社仏閣や古代史などのトピック、野球観戦、2時間サスペンスの再放送視聴なども好き。

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