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ソラリスの時間

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同時収録作品もステキなお話! (//∇//) 田渕由美子氏代表作 「フランス窓便り」(田渕由美子傑作集3)⭐昭和の少女マンガレビューその7

こんにちは、マナサビイです。

前回の予告通り、今日ご紹介する単行本は、田渕由美子先生の、「フランス窓便り」(田渕由美子傑作集3)です♪


1207-108フランス窓便り1


フランス窓便り(田渕由美子傑作集3) / 田渕由美子

○収録作品
・フランス窓便り Part1・・杏(りぼん1976年6月号掲載)
・フランス窓便り Part2・・苗子(りぼん1976年7月号掲載)
・フランス窓便り Part3・・詮子(りぼん1976年8月号掲載)
・白いカップにお茶の色(りぼん1977年6月号掲載)
・ローズ・ラベンダー・ポプリ(りぼん1977年8月号掲載)

○単行本発行年
1978年(第1刷)集英社 りぼんマスコットコミックス



※ちなみに・・・私が持っているこの単行本は1983年発行の第13刷のもので、高校の時に書店で買ったもの。
それにしても、5年ほどで13刷まで行くってなかなか凄くないですか



○ あらすじ

白いペンキで塗られたフランス窓のある家で同居する、杏(あん)、苗子(なえこ)、詮子(みちこ)。
女子大生3人組のそれぞれの恋の行方を描いた連作「フランス窓便り」をはじめとした、珠玉の短編集。

<フランス窓便り Part1・・杏>
川島杏には高校の間ずっと文通を続けた初恋の相手・本多攻がおり、3年ぶりに再会を果たす。
同じ頃、毎朝家に牛乳配達にやってくる園田和巳とふとしたきっかけから会話を交わすようになるが、彼は偶然にも本多と同じ予備校に通う友人だった。
本多から杏のことを聞かされていた和巳だったが、何故か初対面の時から杏のことを「苗子」だと勘違いしてしまい・・・。

<フランス窓便り Part2・・苗子>
欧見苗子は、同じ美大に通うハンサムで優しく才能豊かな帆苅輝久のことが好き。
ところがある日いきなり、帆苅の友人である樹原重太郎に結婚を申し込まれてしまう。重太郎は、ヒゲ面で水虫持ち、むさ苦しくてガサツという帆苅とは対照的なタイプで、苗子は全く相手にしていなかったのだが・・・。

<フランス窓便り Part3・・詮子>
柘植栓子は大学の授業の初日に樫村有人と出会い、直感的に惹かれる。しかし、いつも遠くを見つめているような深い眼差しの彼の左手の薬指には指輪が光っていた。
ぶっきらぼうで笑顔を見せない有人と、ひょんなことから少しずつ距離が縮まっていく詮子だったが・・・。



1207-108フランス窓便り3


以前の記事で、田渕由美子先生の作品の中で私が一番好きなのは「あのころの風景」だと書きましたが、その次に好きなのが、この「フランス窓便り」

田渕由美子先生の作品と言えば、毎回多くの場面で「葉っぱ」(大学のキャンパス、街角などに植えられた木々の緑の葉っぱ)が背景に描かれているのも特徴的なのですが、この作品は、3人の主人公が同居する家の庭自体が緑に囲まれていることもあり、物語の要所要所でもれなく葉っぱが登場(笑)。
ストーリーの素敵さと共に、そういった点からもまさに田渕由美子先生の代表作と言えます。
物語の季節が初夏ということもあって、よけいにこの緑のイメージが効いています(マンガ自体はモノクロですが)。

そして、3人が住んでいるお家も出だしのモノローグのところでは「ちいさな家」と書かれているのですが、2階建ての洋館のような素敵な佇まいで、私たちの年代も含めたその当時の女の子の憧れがギュギュッと詰まったようなお家。
赤毛のアンが住んでそうなお家というのかな。
こういう舞台や背景の描写一つとっても、乙女チック全開といったところですね。


三人三様のキャラクターの描き分けも印象的で、杏は、年齢よりもウブでドジなところのある可愛いタイプ。
苗子は、ヘビースモーカーでサバサバ系のボーイッシュなタイプ。
詮子は、3人の中では一番穏やかで落ち着いていて女性らしいタイプ。
各話ごとの恋の主人公以外の2人は、そっと優しい見守り手になるという感じ。

個人的には、Part2の苗子の回が今読んでも一番好きなのですが、それは苗子のお相手となる重太郎の人柄によるところが大きい
KYで完全にズレまくってるんだけど、憎めないいい人なんですよ〜
伸びまくった無精ヒゲにフケのある髪、水虫でゲタ履きで学校に通うとか、まさに60〜70年代のむさ苦しいバンカラ男子学生そのものな感じなのですが(苦笑)、当然ながらもはやこういう昔の作品の中でしかこういった男性に出会うこともなく・・。 

いや、今現実にこういう男性が近くにいたら「なんだ、こいつは?!」と思うかもしれないけど(笑)、こんな感じでありながらも不思議に何とも言えない優しさと品の良さが漂っているところが魅力的で。
ヒゲを剃ってボサボサの髪をちょっとだけ整えたら、帆苅さんなんかよりずっと男前だよと私なんかは思ってしまう。

あまりに独特過ぎて途中で当の苗子以上に唖然としてしまう言動もあったりするのですが(苦笑)、とは言え、水虫持ちでフケを落とす男が最終的に主人公の「彼」になるという設定自体が、今ではあり得ない設定のような気がします。
大体、苗子自身もヘビースモーカーでくわえ煙草してるシーンが多かったりするから。
でもそういうところも、私は昔の少女マンガと寛容で懐の広かったご時世の素敵さだと思います。


杏や詮子の回のエンディングシーンも、それぞれに幸せで優しい余韻が残ります。
「フランス窓便り」は田渕先生の代表作の一つでもあるので、同世代の方だと昔読んだ覚えがあるよ、という方もいらっしゃるかと思いますが、いや、やっぱり今読んでもなかなかいいものですよ

この頃の少女マンガは、現在の自分の年齢が主人公の年齢をかなり大きく追い越してしまっているので(余裕で倍以上ですね笑)、時折「母親目線」で主人公を眺めてしまうこともあるのですが、この単行本に関しては思っていた以上にそれがなかったですね。
自分も主人公たちと同じ20歳前ぐらいの気持ちに戻って、自然にストーリーを追ってしまえるというか。

登場人物の風貌や佇まいが現在の見た目年齢と比べて大人っぽいことも、多大なる年齢ギャップを感じなくて済む一因かな〜と思います(笑)


1207-108フランス窓便り2


・・・さて、いつもなら以上のように表題作だけの内容紹介と感想だけで終わるのですが、この単行本に関しては、同時収録のこちらの作品も是非とも特別にご紹介させてください!!
↓↓↓


・白いカップにお茶の色

○ あらすじ

早聖大学に通う女子大生・葛美(くずみ)には、小学生の頃から一緒に育った義弟・裕則がいたが、ふとしたことから裕則へ特別な想いを抱いている自分に気づく。
早聖大学OBで法学部講師も務める、ティールーム「ゼッセ」のマスター・野洲とも少しずつ親しくなっていく葛美だったが・・・。



「夏からの手紙」の記事でも書きましたが、「白いカップにお茶の色」もまた、田渕由美子先生の作品でよく見られる「肉親との離死別」が重要なモチーフになっています。
ほんわかと乙女チックなムードのタイトルからはイメージできない背景なのですが、このことがストーリーのキモともなっていて、葛美と裕則の幼い頃からの関係性にも影響しています。

小学生の頃の回想シーンに、胸がキュンとするんですよ。そしてホロリと泣きそうになる、今読んでも
好みもあるだろうけど、この過去のエピソード部分(葛美の言動)を読んでホロリとしないと言う人とは通じあえないかな、とさえ思う。

物語の結末が残す余韻や全編に溢れる詩情性という点では「あのころの風景」や「フランス窓便り」には及びませんが、この2作に次いで心に残る大好きな作品なので、紹介せずにはおれず取り上げさせていただきました



↑このムック本でも、「フランス窓便り」をはじめ、田渕由美子先生の作品について大きく取り上げられていますよ。


〈この作品の感想orおすすめポイントをひと言で〉

⭐あくまでも私個人の好みの問題ではありますが、この単行本は同時収録作品も含めて何冊か出ている「田渕由美子傑作集」の中でもベストの1冊。
田渕由美子先生の作品を読んでみたいという方は、この本を最優先で選んでほしい。(「あのころの風景」もできたら同時入手がおすすめ(笑))) 

⭐「白いカップにお茶の色」に登場する野洲さんは、「あなたに・・・」に登場する函崎さんと1、2位を争う田渕由美子作品史上、最高の恋人候補役。
どっちも超ハンサムだけど、好みで言うと私は函崎さんよりも野洲さん派かな(笑)

お二方とも見た目・人柄・頭の良さが揃ったパーフェクトで申し分ない男性で、しかもこんな素敵すぎる男性がどちらも主人公に想いを寄せてくれる、と言う少女マンガならではのミラクルな状況が羨ましい

⭐もう一つの同時収録作品「ローズ・ラベンダー・ポプリ」は、主人公・麦子とその幼なじみである幾島静の関係性が「夏からの手紙」の主人公たちと似ている。
この2人がどうこうよりも、むしろ静の周りの友人たちがすごくいい!
静が下宿しているお寺の住職も交えてみんなで昼間から麻雀したり、当時の学生や時代の雰囲気がいい感じで描かれている。

もちろん、それはこの作品に限らずで、早朝に配達に来る牛乳屋さんに文通相手の彼、ポプリ(流行りましたよね)、喫茶店・ティールーム、上野動物園のパンダのカンカンとランラン、「ジョーズ」の映画など、単行本全編に渡って懐かしい昭和のエッセンス・想い出が散りばめられていますよ〜♪



↑感想・おすすめポイントを「ひと言で」と言いながら、もはやひと言では済んでないですけどね(笑)
それでは、今日はこのあたりでごきげんよう~🔔


追記:大雨が続き大変なことになっていますよね。特に南九州地域の方、状況を心配しています。
早く大雨がおさまって、被害がこれ以上出ませんようにお祈りしております



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[ 2019/07/03 14:54 ] ●昭和の少女マンガ | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

MANASAVVY(マナサビイ)

Author:MANASAVVY(マナサビイ)
昭和40年代、岡山県生まれ。大阪在住。
前身のブログを始めた2007年より12年、一貫して昭和のカルチャーやプロダクト、個人的な想い出などのテーマで書き続けています。
ブログの内容からか男性と間違われる事が多々ありますが、女性です。
「小々石 曲允子」の名で、レトロ旅ライターとして取材・執筆活動を行っています。

旅先でのトイカメラなどによるフィルム写真の撮影、神社仏閣(パワースポット)巡り、ムー的なトピック、野球観戦、2時間サスペンスの再放送を見ることなども好き。

記事の無断転載を禁止します。
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