それでは、今日も
前回に引き続き
、「まるでSFの世界?!昭和が生んだ、東京の近未来名建築その2」ということで、
東京で見た奇抜なレトロ建築の数々をご紹介します^^
新橋駅前ビル(1号館)。竣工は、1966(昭和41)年。新橋駅前にあるビルなので、東京にお住まいの方なら目にされたことがある方は多いでしょう。
大胆なビル構造はもちろんですが、そのインパクトを抑えるかのような繊細な外壁と窓周りのファサードデザインにも同時に目がひきつけられてしまうという、何とも不思議な魅力を醸し出しているビルだなと感じました。 よく見ると、すごく変わった形してない?! と5秒程してから気づく感じ。 こんなにユニークな形なのに周りから全く浮いてるように見えないのは私だけでしょうか。
このつなぎ目の部分も近くで見ましたが、
角度によっては、向こう側にあるビルにもうひとつのビルが突き刺さっているような形にも見えますよネ。本当に面白いデザインだと思います。
先日、偶然、テレビ番組でこのビルのことが取り上げられていましたが、元々はここは「狸小路」と呼ばれる飲み屋街で、そこの飲み屋さんたちが地下に入居したのが、このビルの飲食店街の始まり。(だから、表玄関のところにタヌキの像が置かれている)
こういうところは、大阪駅前ビルとプロセスが非常に似ていると思います。 戦後の闇市からスタートして、そこで営業していた飲食店が、高度成長期の駅前再開発事業でのビル建設に伴い入居させてもらえることになった。
その当時からの店舗をそのまま引き継がれているお店も多いのでしょう、大阪駅前ビル同様、こちらのビルもいまだに地下の飲食店街には昭和の風情が残っています。
新橋のサラリーマン御用達としてテレビで特集されることもありますよね。
昭和臭の濃い庶民的な地下フロアの雰囲気と、繊細なファサードデザイン、そしてあのビル本体の先鋭的で独創的な形状とが織りなすどこかカオスな様相が、まさにこれこそ昭和的で私などはとても良いと思うのですが、惜しくも2022年に解体されてしまうとか。
大阪駅前第一ビルにもそういった話が何年か前から出ていますが、・・・うーん、残念ですね。
前回の2件から新橋駅前ビルまで新橋駅界隈のビルが続きましたが、新橋を離れ、次に東新宿に向かいます。
GUNKAN東新宿ビル(旧名称:第3スカイビル、ニュースカイビル)。 竣工は1970(昭和45)年。「陸軍船舶兵出身で随所にその影響がうかがえる独特のデザインの建築物を手がける。狂気の建築家、異端の建築家と呼ばれた」(←wikiより引用)渡邊洋治氏が手掛けたビルで、その形から
「軍艦マンション」と呼ばれていた建物。
前の中銀カプセルタワーや静岡新聞静岡放送ビルもそうなんですが、この時代のとんがったビルは有名な建築家の方の作品が多いんですよね。当時は、皆さん、新進気鋭の若手建築家だったのでしょうが。
しかし、やはりこの形はインパクト大! ビルの外壁の色はもとはシルバーだったようですが、数年前のリノベーションの際にペパーミントグリーンに塗装されたようです。屋上にあるのは、受水槽。
こうやって見ると、軍艦マンションの手前の建物もそこそこユニークな形の建物に見えなくもない。お隣の軍艦マンションに触発されたのかな?(笑)
間口が狭いですよね〜。でもだからこそ、こういった個性的な形状の建物につながったとも言えるのかも。
この正面から見たデザインも、独特です。
リノベーション前の建物を知らないのですが、ガラスの壁面に大きく描かれた顔の絵は明らかにリノベの後に描かれたものでしょう。
でも
、この二手に分岐してエレベーターホールまで進む廊下は、マンションの形・構造からも、きっと当時からのものではないかと。 床に描かれている曲線の模様は最近描かれたものなのかな?
私、このエントランスホールが、すごく気に入ったんですよね〜^^
二手に分岐するというのがどこか近未来風でクールではないですか? ^^
そういう意味で言うと、壁面の「GUNKAN・・・」の白文字はちょっと余計かな〜。文字があることで、新しくなった小綺麗な印象は受けますが。
現在は、SOHOやシェアハウスなどとして利用されています。
そして・・・
江戸東京博物館。 1993(平成5)年の開館に合わせて、
建物は前年の1992(平成4)年に完成。 両国駅の至近にあるからわかりやすいです、ここも。
今まで巡って来た建物はすべて、1960年代後半〜70年代初頭の高度経済成長期の建物なのですが、これだけ例外的に
平成初期のバブル期の建築物です。高度成長期の建物と異なるのは、「江戸東京博物館」という施設のコンセプトに沿わせていることもあってか、
和風の要素が屋根部分などのフォルムに取り入れられていること。とはいえ、この建物にも、
戦闘ロボットやら飛行艇やらが発進する基地のごときメカニカルな趣を感じてしまいます。
SFというよりも、子供の頃に見ていた
マジンガーZ等々のロボットアニメに出て来そうな形をしているなあと^^
このちょっと下から仰ぎ見る、床部分が見える角度がいちばん好き。
むむっ、この角度から見ると、
仮面ライダーなどの特撮ものに出てくる研究所としてもかなり使えそうですね〜、やっぱり(笑) これが70年代にあったら、特撮のロケ地としても重宝されたかも。
さて、番外編である江戸東京博物館の、さらに番外編として気になった建物があったので、こちらに載せておきます。
前回ご紹介した、中銀カプセルタワービルに行く途中で見かけたこちらのビル。
こちらもなかなかどうして、個性的なビルディングではありませんこと?! 円筒形+銀色のミラーを張り巡らせたような外壁は、目立つのは確か。
「昭和シェル石油」とあるので、企業の自社ビルだろうと思いウェブサイトを調べてみたのですが、この場所に事業所はなさそう。
でも、銀座8丁目に昭和シェルのガソリンスタンドがあるようなので、ガソリンスタンドが1Fにある複合的なオフィスビルだったりするのかな?(@@)
おわかりの方がいらっしゃったら教えていただけると有り難いです。 間近に行って確認すれば良かったな〜!
デザインから見て、70年代(SF近未来風)もしくは80年代(ミラーボールを彷彿とさせる笑)のビルっぽいのですが、実際はどうなのでしょうか。
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前回から2回に渡って、東京にある昭和の高度成長期に誕生した先鋭的なビルを主にご紹介してまいりました。
各ビルの概要などはトラベルジェイピーの拙記事
「まるでSFの世界?!昭和が生んだ、東京の近未来名建築4選」 をごらんいただければと思います。
大阪にも高度成長期の時代にできたビルはいくつも残っていて、もしかしたら現存率だけでいくと東京よりも高いのではないかとも思うのですが、万人が見て「これは変わった建物だ」とすぐに気づくだけのインパクトを持つか否かという点では、東京の方が該当する物件が多いのかな?と。
建築マニア受けしそうな、あの時代の大阪のレトロビルもいずれピックアップできたらいいなあと思います。
それはさておき、一度、中銀カプセルタワービルにはどうにかして泊まってみようと思っています(笑)
老朽化の問題等々あるでしょうが、何とか補修を加えながら、この時代の異彩を放ちまくっているビルたちが少しでも長く延命して欲しいと願っております。